人生や日々の生活において、誰かと持ちつ持たれつの関係になっている時、Give & Take(ギブアンドテイク)という言葉、便利ですね。今日はお客様との関係の中に見つけるGive & Takeを見ていきたいと思います。

Give & Takeって?

まずは本題に入る前に、Give & Takeという言葉そのものの意味を考えてみましょう。広く一般的に使われている意味では、「誰かに何かしてもらったら、その分お返しをしよう」「誰かのために親切にしていると、それはいつか自分にもきっと返ってくるはずだ」などという考えを指します。
give&take

人間関係に見るGive & Take

日々の中で、Give & Takeを感じる瞬間はありませんか?
「ああ、旦那さんは一生懸命働いてくれている。美味しいご飯を作って待っていよう」
「恋人はいつも僕を労ってくれる。たまには彼女の買い物に付き合ってあげよう」
こんな感じですね。もちろんいつもうまくいくとは限りません。
「私だって働いてるのに、もっと家事手伝ってよ!」
「いつも僕ばかりデートプランを考えている。疲れてしまう」
と、どちらかが不公平感を感じ始めたら、黄色信号です。
中には「恩は返さずに下の世代に送ればいいんやで〜」という仏のような先輩もいらっしゃいますが…
家族や恋人ならある程度は愛情で許されるかもしれませんが、お客様との関係はそう甘くありません。

お客様にとってのGive & Takeって…?

ここで、あなたは仕事帰りに英会話教室に通っているサラリーマンだと仮定してください。月謝は月々2万円。週に2度通っています。半年後、彼女とカナダに行く時にちょっとカッコイイ自分を見せたくて。この時、あなたがこの英会話教室にGiveしているのは何でしょう?
英会話教室

「月2万円の月謝」。そう答える方が多いでしょう。しかし、忘れてはいけません。あなたの大事な時間も同時にGiveしているのです。おかげでスポーツジムに行く回数が減ってしまいました。

通い始めて4ヶ月。英語力は一向に伸びません。ネイティブの先生と交わす会話は、相変わらずあなたがオムライスが大好きだということだけ。こんなはずじゃなかった。あなたはこれならスポーツジムに行っている方がマシだと思い、英会話教室を辞めてしまいます。あなたの予復習不足にも原因はあったというのに!
このように、お客様は自分が払っている対価以上のものが得られていないと判断すると、あっさりと離れてしまいます。

お店、会社側にとっては?

次にお店の立場に立ってみましょう。上のケースでは、英会話教室は月々2万円でお客様に必要なカリキュラムを提供しています。例え宿題をしてこなかったとしても、大事なお客様を怒らせるわけには行かないので、笑って前回のところから復習したでしょう。この時、この英会話教室は本当に対価に見合う価値を提供していたのでしょうか?
ここで大事なことは、このお客様は月々2万円を支払って「ネイティブの先生と週2度英会話をするために来ている」のではなく、「半年後にカナダで英語を話す姿を彼女に見せたかった」ということなのです。

このお客様に、もっとできたことはなかったでしょうか?対顧客関係において、Give & Takeの法則は実にシンプルです。お客様から、お金(と時間)をいただく。ビジネスですから、これは当然ですね。しかし、ここからはもうGive & Takeなんて忘れてください。そのお客様に自分たちができることを、考えて考えて考えて価値を提供することに意識をシフトさせるのです。
例えば、お客様が何でも話してくださるような雰囲気だったら、英語を学んでどうしたいのかをお聞きして、一緒に計画を立てるところからスタートするのもいいでしょう。そのお客様のレッスンの時だけ、カナダの小さな国旗をテーブルに載せるのも一つかもしれません。
カナダ国旗

「英語は対話と継続だ。」なんていう粋な広告を電車に出す暇があったら、せっかく足を運んでくれたお客様のモチベーションを上げ、目標達成に導いてあげることに注力すべきなのです。

Give & give & give & give!!

お客様に引かれない程度に、愛情表現してみてくださいね。