選んでいるつもりなのに、実は選ぶ前に答えは決まっているかもしれない

今日のコラムは「選んでいるつもりなのに、実は選ぶ前に答えは決まっているかもしれない」ということを、お客さんの立場から考えてみたいと思います。
普段、商品やサービスを販売する立場の皆さんも、今から少しの間だけ、ある女性になってみてください。
OL

あなたは淀屋橋のとある会社で働く、32歳のOLです。
月曜日から金曜日まで、毎日朝から晩まで働く自分へのご褒美として、金曜日の晩は毎日駅の中にあるシュークリーム屋さん『ビアードママ』のシュークリームを買うことにしています。

シュークリーム

思えば『ビアードママ』との出逢いは、2年前の一大プロジェクトで残業続きだったあなたに上司が差し入れしてくれた「クッキーシュークリーム」が始まりでした。それから、帰り道に寄りやすいということもあり、あなたは『ビアードママ』のとろりとしたカスタードクリームとサクサク生地の虜になったのです。駅には他にも数えきれないくらいのスイーツ専門店、コンビニがひしめいていますが、あなたにはもう『ビアードママ』しか見えません。あぁ、恋って盲目。

さて、ここであなたの行動に起こっていることを、少し離れたところから見てみましょう。

まず、最初の出逢いは偶然でした。偶然知った、数あるスイーツ店のうちの1つ。駅で見たことはあったけれど、食べたことはなかった。それが、上司の気遣いによって図らずも口にすることになるのです。
駅構内

これをお店側から見てみましょう。駅の中にあることによって、このお店はあなたの通勤ルートに位置することになります。「立地」の要素であなたにアプローチしているのです。しかし、それだけではあなたにとって十分な魅力とはなりえませんでした。そして、上司による偶然の巡り合わせ……

次に、「品質」です。このお店の味を気に入ったあなたは、再びその店を訪れます。期待を裏切らないその味に、あなたは満足します。それもそのはず、このお店は、使う小麦・バター・卵などにこだわり、注文を受けてからクリームを詰めるというこだわりようだったのです。それなのに、そのことを小さくしか記載していなかった。もったいないなぁ、看板に書いてくれればもっと早く知ることができたのに、とあなたは思うかもしれません。

材料へのこだわり

数ヶ月がたった今、あなたは毎週『ビアードママ』に通っています。友人宅を訪れる際の手土産も、ここで決まりです。友人からは「ビアードチルドレン」なんて呼ばれています。
最初に食べたシュークリームだけなら、ここまで好きになることもなかったかもしれません。しかし通えば通うほど、商品へのこだわり、想いに感動し、深い味わいが大好きになりました。季節のシーズンフレーバーと、週替りのトッピングも、飽きずに通える理由の一つです。

お店の商品がブランドとして認知される過程を今回のケースに当てはめると、
「あぁ、このお店見たことある」
「あー、これが前上司がくれた絶品シュークリームだわ」
「もうシュークリームといえばここしかない!」
といった感じになります。ブランド再認ブランド再生の概念と似ています。
最終段階の「他のもので代替不可」「自分のアイデンティティ」のレベルまで行くと、選択肢はあるのにもはや選ぶことができない状態となります。
自らのライフスタイルに、そのブランドがいい意味で組み込まれてしまっているのです。

食事をする女性

お客様に、この最終段階の「ファン」になっていただくには相当の努力が必要です。立地、外装、品質、種類、接客……
しかし適切な形で努力を続けていくと、最初の出逢い段階「上司による偶然の巡り合わせ」はもはや偶然ではなく、「上司からの口コミで新たなファンをつくる」ことも可能になります。
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