起業を決意してからどのように販促していくか。今回のコラムは、起業を決意した日から使える販促の考え方について書いてみようと思います。

起業を決意!〜で、どうする??〜

いきなりですが、今日、あなたは起業を決意したとします。会社設立の手続き等は少し横に置いてください。あなたが売り出そうとしている製品・サービスをどのようにして多くの人々に知ってもらい、お客様を増やしていこうと考えていますか?
ホームページor SNS orチラシやパンフレットor直接営業?
実は、どれも正解であり、どれも不正解でもあります。なぜなら、あなたが行うビジネスの目的や目指す将来像によって適切な販促は異なるからです。

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例えば、個人で飲食店を開店したAさんは、地域に根差し愛されるような商売をして、身の丈に合った経営をしていこうと考えています。この場合、ホームページは必要でしょうか?おそらく、必要不可欠とはいえないでしょう。まず、ホームページを制作し継続的に管理するにはかなりの費用と手間がかかります。これでは、身の丈にあった経営が厳しくなります。また、このお店で買う人は地域の方々がメインです。わざわざホームページを見て来店させる仕掛けを作らなくても、味や値段などがニーズに適っていれば商売は成立します。今は、個人がそれぞれ情報発信者であり、いわゆる口コミで情報は拡散するので、商品力の向上が最重要だといえます。

では次の例はどうでしょうか?Bさんは数人のパートナーとともに起業し、独自の世界観を持ったデザインで世界のおしゃれに敏感な人たちをアッと言わせる洋服を作り、ブランドを築き上げたいと考えています。この場合、ホームページは必要でしょうか?おそらく、必要でしょう。まず、独自のデザインを際立たせる方法としてウェブは紙媒体に比べて有効で、視覚的な表現に勝るからです。また、ターゲットは世界のおしゃれに敏感な人たちであり、極めて範囲が広く若い層がメインになることも予想されるため、なおさらネットでの販促が求められるでしょう。

大事なことは、まず自分の起業する目的を知ることです。そして、将来像を明確にすることが、はじめの一歩になります。

実際に動く〜販促のパートナーを選ぶ〜

起業の販促は、全くゼロからのスタートなのでしょうか?多くの場合は違います。30歳で起業したとすると、それまでに構築してきた人脈は大きな資産です。会社設立のためのサポート、販路先の紹介など様々な形で起業を後押ししてくれると思います。ただ、「起業」と一口に言っても様々です。個人なのか、組織なのか、何を誰に売るのか、どこでどのようにして売るのか。したがって、アドバイスを求める相手は、自分が行うビジネスについて詳しいことが前提です。また、自分が達成したい目的や将来像(事業規模)の延長線上で活躍する人に相談することが望ましいです。そのような人たちは、どこでどのような失敗をしやすいかを知っている人たちです。同じ失敗を犯すまえに、アドバイスをもらうべきでしょう。その際、自分が起業する目的と将来像が明確であればあるほど、効果的な販促手段を判断できることは、先ほど説明した通りです。

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まとめ

会社を設立するとなると、実務と平行して慣れない作業を行うため、かなり忙しくなります。そこで慌てて形式的なホームページを制作してみたり、外注先に多くを任せっきりにしてしまうと、のちのち後悔することになるでしょう。まずは自分の起業する目的を知り、次に自分の経営に合った相談相手とパートナーを決めたうえで、販促を考え実行する。起業段階では、それが特に大事なのです。

ライター:表 悠司