昨年の2月にこの紙面をリニューアル後、この1年の『販促の現場』では、
より深くマーケティングの考え方を考察してまいりました。
昨年末、インターネットの「アマゾン」「楽天市場」といった通販サイトや、
「価格.com」などの比較サイトに書き込まれた口コミが利用者の購買意欲を高め、
国内の年間消費を約1兆5200億円押し上げているという研究結果を、
国際大学GLOCOMの山口真一講師の研究グループが明らかにしました。
消費の押し上げが確認できたのは、「外食」「パソコン・家電」「ゲーム・書籍」
「生活雑貨・キッチン用品」「ホビー」の6分野です。
テレビや新聞・雑誌などは認知手段として高い影響力がありますが、
購買の後押しとしては、レビューサイトの口コミに影響を受けて
購入する人が非常に高いということです。
gooリサーチによると、口コミが購入の決め手になった経験がある人は全体の約7割。
特に女性が口コミの影響を受けやすい傾向にある様です。
過去の『販促の現場』では、「顧客満足」と「口コミ」について取り上げました。
顧客満足度が高いからと言って、比例して口コミに繋がる訳ではありません。
大変満足していると答えた人のうち、口コミやSNSなどで推奨してくれた人は
44%にとどまったというデーターもあります。
口コミに繋がる為の満足度は「満足している=推奨する」という訳ではないということです。
また、「口コミ」には、良い口コミだけでなく、
悪い評価の口コミもあります。
現在では、SNSでクレームを書かれると、短時間で
何万もの人へ拡散されてしまいます。
昨年取り上げた「グッドマンの法則」では、苦情を
申し立てた顧客に対し「迅速で満足のいく対応」を
すると、後々の再購入に繋がる、という興味深い
テーマがありました。
だからこそ、クレームの対応も大きなカギとなるのです。
この1年を振り返り、全てを通して言えることは、個人対個人の繋がりを
大事に考えていくことで、お客様の満足を作り上げていけるのではないかということです。
弊社もこの1年間、スタッフひとりひとりが、よりお客様に対して真摯に向き合い、
よりよい顧客との繋がりが持てる様、今何が大切なのかを念頭に努力してまいりました。
そして、新しい1年もまた、お客様に喜んでいただくことで、
ともに喜びを感じながら成長を続けていきたいと思います。
ライター:水谷恭子