人にやさしい地図って?~伝えることの難しさ~

弊社も新オフィスに移転し、物たちがようやく収まるべき場所に配置され落ち着いてきました。仕事が行いやすい環境を作ることは効率の面から考えても、決して無駄な時間ではありません。物がどこにあるのかわからず探し回らなければならないなどのことがないように、部屋の中の配置も誰が見ても分かるようにしておきたいですね。そして住所案内の地図は迷うことの無い地図であって欲しいものですが、誰にでも分かりやすく伝えるということは、案外難しいものです。最近は、スマホなどで地図が表示出来てナビも使えるので、会社訪問やセミナー会場までのルートや時間を住所から簡単に調べられるようになりました。しかし、実際そのルートで現地に行ってみると、表示以上に時間がかかることがあります。その出口が一番近いと書かれていても、そこに向かう為に、階段を上がり下りしてやっと出口にたどり着くという場合もあります。地上に出てみれば、実はもっと簡単にたどり着ける場所でもそのときはわからないのです。また、最寄り駅から真っ先に向かうとは限りません。○○道を北へと書かれていても交差点に立つと馴染みのない土地でどちらが○○道で、どちらが北の方角なのかわからなくなったり、ビルに囲まれたりすると迷子になってしまったりしませんか。簡単に行ける場所でも迷っているときはなかなか辿りつけなくなります。人を導くのは難しいことです。「伝える」ことと「伝わった」ことでは全く意味が違います。物を伝えるとき、ポイントは多いほどいいという訳ではありませんが、分岐となるポイントと共通の認識ができるポイントは押さえておきたいものです。
相手が迷いやすいのはどこなのか、もし自分だったら・・・と振り返って考える心配りにやさしさを感じます。

ライター:水谷 恭子
販促の現場イラスト